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マスター・ナオキの怪店日記
第3章 新天地を求めて
「それがね、この旅先での出会いっていうのがものすごい偶然の引き合わせなんですよ」
照美が身を乗り出すようにして口を開く。
「実は私たち、同じ大学の卒業生だったんです。それも同学年。驚きましたよ」
アルコールも手伝ってか、照美の頬はほんのり赤くなり、声音も弾みだした。
「学部が違うし、お互いサークル活動みたいなこともしていなかったんで顔を知らなくてもおかしくないんですけどね。だから余計に話が盛り上がって。気が付いたら結婚していたって感じなんです」
 幸せそうな妻の笑み、その横顔を見つめる夫の表情。ああ、ほんとうにいい夫婦だな、と尚樹までもが幸せな気分になった。
「なんだかこっちまで幸せな気分になるねえ」
 急にかけられた声の主に尚樹と長澤夫妻が顔を向ける。カウンターの端に座っていた、常連のゴリさんだった。
 初めまして、と挨拶をしてからゴリさんは、
「ここの常連の、通称ゴリと言います。いやあ、夫婦そろってバーでグラスを傾けるなんて、羨ましい限りだねぇ。うちのは酒が飲めないんでね、いつも一人でイケメンのオッサンを眺めながら飲んでるんですよ」
「ちょっと、それじゃあ褒めているんだかけなしているんだかわかんないじゃない」
 マスター・尚樹のふくれっ面をよそに、ゴリさんはカラのグラスをゆらゆら揺らしてお代わりを催促した。



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