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マスター・ナオキの怪店日記
第4章 三島さんの再会
戸惑いに言葉が出てこない尚樹の様子を察して、三島さんは穏やかな笑みを浮かべながら話を始めた。
「実は昨日の昼間、駅向こうのイセキ商店街の古本屋から出てきたところで長澤さん夫婦とバッタリ出くわしてね。ちょうど昼飯時だったからよかったら一緒にどうかって誘われてさ。じゃあっていって、隣りの洋食屋に入ったんだ。昼時なのに店はすごく空いていてさ、広いボックス席に座れたの。いつもは結構混んでるから今日は運が良かったのかななんて笑ってたら、次から次から客が入って来て、あっという間に満席になったんだよね。
それにも驚いていたら奥さんの方が、私たち、憑依体質なんですって言いだしてね」
「ん?憑依体質?なんですか、それ?」
「それを説明する前に、信彦さんが間髪入れずに招き猫体質だろって。まるで照美さんが言った憑依体質って言葉をかき消そうとしたいように僕には見えたんだけどね」
三島さんの目は、何か不思議なものを見た、それを思い出しているかのように焦点が定まらない感じだった。そんなに違和感があったのだろうか、と尚樹の視線もゆらゆらと泳いだ。
「実は昨日の昼間、駅向こうのイセキ商店街の古本屋から出てきたところで長澤さん夫婦とバッタリ出くわしてね。ちょうど昼飯時だったからよかったら一緒にどうかって誘われてさ。じゃあっていって、隣りの洋食屋に入ったんだ。昼時なのに店はすごく空いていてさ、広いボックス席に座れたの。いつもは結構混んでるから今日は運が良かったのかななんて笑ってたら、次から次から客が入って来て、あっという間に満席になったんだよね。
それにも驚いていたら奥さんの方が、私たち、憑依体質なんですって言いだしてね」
「ん?憑依体質?なんですか、それ?」
「それを説明する前に、信彦さんが間髪入れずに招き猫体質だろって。まるで照美さんが言った憑依体質って言葉をかき消そうとしたいように僕には見えたんだけどね」
三島さんの目は、何か不思議なものを見た、それを思い出しているかのように焦点が定まらない感じだった。そんなに違和感があったのだろうか、と尚樹の視線もゆらゆらと泳いだ。