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マスター・ナオキの怪店日記
第7章 長澤夫妻の告白
「そうなんです。最初に気付いたのは私です。実はこのお店に来る以前、この先のコンビニから出てきたマスターをお見かけして、この人見えるはずなのに見えていないみたいだって、思わず振り返ってしまいました。しばらく後姿を目で追っていると、このお店に入っていくのが見えました。引っ越してきて間もなかったですからね、この町がめずらしいのもあって、マスターの入っていったお店は何屋さんかしらと、確かめてみたらバーだった。それを主人に話したら、じゃあ今度行ってみようかという事になって。実際来てみたらお店の雰囲気もいいし、なんといってもマスターが良い人だし。でもその時は、こんなふうに霊に紹介するなんてことになるとは想像もしていなかったんですよ、ほんとうです」
両手をこすり合わせるようにして謝る仕草を見せる照美の眉間は不安で歪んでいる。悪い事をしてしまった、という気持ちのあらわれなのだろう。
だけど、悪い事をされたのだろうか、と尚樹は視線を宙に彷徨わせる。
霊が見えるように彼らにされたのだろうか。いや、そういうことではない。誰かの力によって人間に能力を授けるなんてこと、できるわけがない。例えるなら、スポーツ選手に適格なトレーニング方法を教えて能力を引き上げる、みたいなことでいいんじゃないか?
だけど、それがそのまま今回の自分に対する出来事にピタリとハマるというのも少しずれているような・・
両手をこすり合わせるようにして謝る仕草を見せる照美の眉間は不安で歪んでいる。悪い事をしてしまった、という気持ちのあらわれなのだろう。
だけど、悪い事をされたのだろうか、と尚樹は視線を宙に彷徨わせる。
霊が見えるように彼らにされたのだろうか。いや、そういうことではない。誰かの力によって人間に能力を授けるなんてこと、できるわけがない。例えるなら、スポーツ選手に適格なトレーニング方法を教えて能力を引き上げる、みたいなことでいいんじゃないか?
だけど、それがそのまま今回の自分に対する出来事にピタリとハマるというのも少しずれているような・・