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マスター・ナオキの怪店日記
第8章 いよいよ始まった、ご来店・・
「今日はまだ長澤さんたち来てないねえ」
ふいに声をかけられて、尚樹の手の中のロックグラスがわずかに滑った。
「おいおい、正月開けたばかりで飲み屋に押しかける俺らとは違うでしょ?」
「そうだな、故郷に帰って一家だんらんを楽しんでるんだろうよ」
毎度さんとゴリさんの会話に納得できた。
そうだ、きっと埼玉の実家で息子一家と年の初めを楽しんでいるのだろう。新年行事がひと段落すればまた顔を見せてくれるはずだ。
「そうですね、みんなと違って憩いの場所が他にもある人たちだからね」
ニヤリと笑う尚樹にブーイングが飛ぶ。
「あらあ、そんなこと言って、売上減っても知らないよぉ」
なあ?と周りに同意を促すゴリさんを笑いが包む。勘弁してくださいよと尚樹が手をこすり合わせる。
今夜もバー・タイニーキャッスルは、二つの笑顔を欠いただけで、他は何一つ変わることなく時間が過ぎていった。
ふいに声をかけられて、尚樹の手の中のロックグラスがわずかに滑った。
「おいおい、正月開けたばかりで飲み屋に押しかける俺らとは違うでしょ?」
「そうだな、故郷に帰って一家だんらんを楽しんでるんだろうよ」
毎度さんとゴリさんの会話に納得できた。
そうだ、きっと埼玉の実家で息子一家と年の初めを楽しんでいるのだろう。新年行事がひと段落すればまた顔を見せてくれるはずだ。
「そうですね、みんなと違って憩いの場所が他にもある人たちだからね」
ニヤリと笑う尚樹にブーイングが飛ぶ。
「あらあ、そんなこと言って、売上減っても知らないよぉ」
なあ?と周りに同意を促すゴリさんを笑いが包む。勘弁してくださいよと尚樹が手をこすり合わせる。
今夜もバー・タイニーキャッスルは、二つの笑顔を欠いただけで、他は何一つ変わることなく時間が過ぎていった。