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マスター・ナオキの怪店日記
第2章 夫婦でBARへ
「いらっしゃいませ。バー・タイニーキャッスルへようこそお越しくださいました。私、オーナーマスターの尚樹と申します」
二人の前にコースターを並べながら自己紹介すると、二人同じタイミングで頭を下げた。
まずはお飲み物を、と尚樹が注文を聞くと、ビールを二つ、と女性の方が応えた。
目の前にビールが置かれるとまずは二人でグラスを合わせ一口二口と喉に流し込んでから、幸せそうな溜息と共にグラスを置いた。それから男性の方が、顔じゅうで笑顔を作ってから口を開いた。
「私らこの近くに引っ越してきたばかりなんですよ」
会話をお望みだと感じ取ったバーのマスターは、初めての客とたっぷりと向かい合うことにした。
「もしかして、あのタワーマンションですか」
何階建てだか詳しくは知らないが、このあたりで最近引っ越してきたといったらそこくらいだろうと見当をつけた。それに、夫婦の身なりも、わざとらしくはないがそれなりの良い物を身に着けていることは尚樹にもわかる。人を見る目だけは養われてきたつもりだ。
二人の前にコースターを並べながら自己紹介すると、二人同じタイミングで頭を下げた。
まずはお飲み物を、と尚樹が注文を聞くと、ビールを二つ、と女性の方が応えた。
目の前にビールが置かれるとまずは二人でグラスを合わせ一口二口と喉に流し込んでから、幸せそうな溜息と共にグラスを置いた。それから男性の方が、顔じゅうで笑顔を作ってから口を開いた。
「私らこの近くに引っ越してきたばかりなんですよ」
会話をお望みだと感じ取ったバーのマスターは、初めての客とたっぷりと向かい合うことにした。
「もしかして、あのタワーマンションですか」
何階建てだか詳しくは知らないが、このあたりで最近引っ越してきたといったらそこくらいだろうと見当をつけた。それに、夫婦の身なりも、わざとらしくはないがそれなりの良い物を身に着けていることは尚樹にもわかる。人を見る目だけは養われてきたつもりだ。