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マスター・ナオキの怪店日記
第2章 夫婦でBARへ
夫婦は顔を見合わせてから恥ずかしそうに肩をすくめ、
「ええ、ちょっと頑張り過ぎかしらとも思ったんですけど・・」
そう言って静かに笑い、その後を引き継ぐようにして夫も口を開いた。
「老後は便の良い所に住もうっていう計画はなんとか実行できたというか」
「子供たちも独立したし、これからの人生は二人で刺激的な町で暮らしてみたいって、ね」
照れる夫の横顔に微笑みかける妻の穏やかな表情。ああ、夫婦ってやっぱいいなと、結婚したことのない尚樹は羨ましさをにじませながら目を細めた。
ビール2杯ずつとつまみを2皿ほど、1時間ちょっとで夫婦は席を立った。
「たいして酒が飲めるわけではないんですが、こういうところにたまに通うというのもやってみたかったんです。また寄らせてもらってもいいですか?」
申し訳なさそうな仕草を見て、人の良さそうなこの夫婦に更なる親近感を覚えたバーのマスターは、
「もちろんです、是非またいらしてください。気に入っていただけて、通ってくださったらこちらもとても嬉しいです」
レジの引き出しから名刺を取り出し差し出すと、妻の方が目じりを下げながら受け取った。
「ええ、ちょっと頑張り過ぎかしらとも思ったんですけど・・」
そう言って静かに笑い、その後を引き継ぐようにして夫も口を開いた。
「老後は便の良い所に住もうっていう計画はなんとか実行できたというか」
「子供たちも独立したし、これからの人生は二人で刺激的な町で暮らしてみたいって、ね」
照れる夫の横顔に微笑みかける妻の穏やかな表情。ああ、夫婦ってやっぱいいなと、結婚したことのない尚樹は羨ましさをにじませながら目を細めた。
ビール2杯ずつとつまみを2皿ほど、1時間ちょっとで夫婦は席を立った。
「たいして酒が飲めるわけではないんですが、こういうところにたまに通うというのもやってみたかったんです。また寄らせてもらってもいいですか?」
申し訳なさそうな仕草を見て、人の良さそうなこの夫婦に更なる親近感を覚えたバーのマスターは、
「もちろんです、是非またいらしてください。気に入っていただけて、通ってくださったらこちらもとても嬉しいです」
レジの引き出しから名刺を取り出し差し出すと、妻の方が目じりを下げながら受け取った。