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マスター・ナオキの怪店日記
第9章 霊のお告げ
「おい、どうしたよ、マスター?なにもそんなに驚かなくったっていいだろうがよ」
ゴリさんの目が、驚きというよりは不安そうに尚樹に向けられる。周りの客達はすぐに尚樹への視線を解放したが、当の本人のゴリさんは、少しの間尚樹の様子を窺い続けた。
気まずいやら照れ臭いやらで、とりあえず笑ってごまかすしかないなと、尚樹は大げさすぎるくらいに表情を明るく開いて、ラッキー!と両の親指を立てて顔の横で揺らした。
「いやあ、実はね、おととい、ツケが大量に返ってきた夢を見たんすよ。身に覚えがないのにみんなしてツケを払うよって札が飛び交う夢。だから正夢かよ!って、ビックリしちゃって。ありがとうございます、しっかりいただきますよ」
とっさに夢に置き換えられた自分のファインプレーを自身で褒めながら、行き場に困っている感情が無意味にビールを注ぐ行為へと移り、止めることなく身を任せた。
「じゃ、今夜のゴリさんに乾杯!」
ますます意味不明な言動だが、ゴリさんはそれ以上に怪しむことはなく、尚樹の後に続いて乾杯とグラスを宙に掲げた。
ゴリさんの目が、驚きというよりは不安そうに尚樹に向けられる。周りの客達はすぐに尚樹への視線を解放したが、当の本人のゴリさんは、少しの間尚樹の様子を窺い続けた。
気まずいやら照れ臭いやらで、とりあえず笑ってごまかすしかないなと、尚樹は大げさすぎるくらいに表情を明るく開いて、ラッキー!と両の親指を立てて顔の横で揺らした。
「いやあ、実はね、おととい、ツケが大量に返ってきた夢を見たんすよ。身に覚えがないのにみんなしてツケを払うよって札が飛び交う夢。だから正夢かよ!って、ビックリしちゃって。ありがとうございます、しっかりいただきますよ」
とっさに夢に置き換えられた自分のファインプレーを自身で褒めながら、行き場に困っている感情が無意味にビールを注ぐ行為へと移り、止めることなく身を任せた。
「じゃ、今夜のゴリさんに乾杯!」
ますます意味不明な言動だが、ゴリさんはそれ以上に怪しむことはなく、尚樹の後に続いて乾杯とグラスを宙に掲げた。