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マスター・ナオキの怪店日記
第10章 3人目の幽霊様
「いらっしゃいませ」
平静を装い普段通りの声をかけると、70はとうに超えていると思しき男がかぶっていた帽子をちょいとあげて挨拶をした。
「まだやってるかな」
「ええ、どうぞお好きな席へ」
老人は帽子だけでなくコートも入り口で脱いで、ツリー型のコート掛けに丁寧にかけた。
「ほお、たしかにいい店だ」
男はゆったりとした動作で店内を見回し、カウンターの中央の席、尚樹の正面に座った。
「この店の事をご存じで?」
きっとあの元バーテンダーにでも教えられてきたのか、この店の様子を少しは知っているような口ぶりだ。
「私が行きつけだったバーのマスターから聞いてね。是非行ってみたいと、寒い中やってきたわけなんだ。今夜も冷えるねえ。こんな夜はバーボンをストレートでいただこうか」
やはり、あの人の紹介のようだ。行きつけのバーのマスター。あの、ムーンライトというバーの常連客だったのかもしれない。
平静を装い普段通りの声をかけると、70はとうに超えていると思しき男がかぶっていた帽子をちょいとあげて挨拶をした。
「まだやってるかな」
「ええ、どうぞお好きな席へ」
老人は帽子だけでなくコートも入り口で脱いで、ツリー型のコート掛けに丁寧にかけた。
「ほお、たしかにいい店だ」
男はゆったりとした動作で店内を見回し、カウンターの中央の席、尚樹の正面に座った。
「この店の事をご存じで?」
きっとあの元バーテンダーにでも教えられてきたのか、この店の様子を少しは知っているような口ぶりだ。
「私が行きつけだったバーのマスターから聞いてね。是非行ってみたいと、寒い中やってきたわけなんだ。今夜も冷えるねえ。こんな夜はバーボンをストレートでいただこうか」
やはり、あの人の紹介のようだ。行きつけのバーのマスター。あの、ムーンライトというバーの常連客だったのかもしれない。