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マスター・ナオキの怪店日記
第10章 3人目の幽霊様
霊を相手にするのも3回目になると、尚樹も慣れたもんで、堅苦しい言葉で聞くのではなく、くだけた表現で彼の死因を訊ねた。
「この歳まで病気らしい病気はしたことはなかったんだがね。やはりこの年齢じゃあちょっとしたことが命取りになる。風邪くらいなんてことないなんてほっぽっていたら肺炎を起こしてあっけなく・・歳が歳だから、周りは案外あっさりと受け入れていたよ」
「そうだったんですか・・」
平凡な、といったら怒られるだろう。人の死に平凡も奇怪もない。すべての理由は悲しみへと直結している。だけど、ものすごい若い人と比べてしまうと、ある程度の覚悟を持たれる年齢であることは否定できない。
「おじいちゃんはここまで頑張ったんだからえらいね、と娘たちは私の亡骸に微笑みかけていた。病気で苦しむことがなかったんだからと娘婿も呟いていた。彼の父親が癌の闘病で苦しんでいたからね」
言葉なく尚樹はうなずく。たしかに、苦しまなくて済むなら、それに越したことはない。
ピンピンコロリ、とたまに来る老人客達が酔いに任せて唱えている。それを聞いて笑いながらも同感同感と肯く自分がいた。
「この歳まで病気らしい病気はしたことはなかったんだがね。やはりこの年齢じゃあちょっとしたことが命取りになる。風邪くらいなんてことないなんてほっぽっていたら肺炎を起こしてあっけなく・・歳が歳だから、周りは案外あっさりと受け入れていたよ」
「そうだったんですか・・」
平凡な、といったら怒られるだろう。人の死に平凡も奇怪もない。すべての理由は悲しみへと直結している。だけど、ものすごい若い人と比べてしまうと、ある程度の覚悟を持たれる年齢であることは否定できない。
「おじいちゃんはここまで頑張ったんだからえらいね、と娘たちは私の亡骸に微笑みかけていた。病気で苦しむことがなかったんだからと娘婿も呟いていた。彼の父親が癌の闘病で苦しんでいたからね」
言葉なく尚樹はうなずく。たしかに、苦しまなくて済むなら、それに越したことはない。
ピンピンコロリ、とたまに来る老人客達が酔いに任せて唱えている。それを聞いて笑いながらも同感同感と肯く自分がいた。