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マスター・ナオキの怪店日記
第11章 4人目の幽霊様
彼女は、ふらりと酒を飲む場を探して偶然来たのだと思っていた。まさかこの店を、バー・タイニーキャッスルを目指して来たなんて、思っても見なかった。
ん?ということは、この店に連れてきてあげると言った相手の男はこの店の客なのか?
常連、それとも時々の客なのか。はたまた人づてに聞いただけとか。いずれにしても、この店の事を知っているのは間違いないはずだ。
いったいどういう経緯でこの店の存在を知っているのか、興味津々で女に聞いた。
「その彼って、うちのお客さんなんですか?」
「お客っていっても二回くらいしか来たことないらしいんだけど、良い感じなんだって」
良い感じ。そうか、気に入ってもらえたのか。だけど、なんで、それなら二人でくればいいものを、なんでこの女一人で、それも閉店間際の真夜中に、一人で来たのだろうか。
カウンターの端に置いてある大きなガラス瓶に入ったナッツを、女が物欲しそうに見つめていたので、食べるかと聞くと首を横に振る。食べたいけど食べられないの、と口を尖らせる表情がこれまた色気がある。ダイエットでもしているのか、吹き出物でも気にしているのか。とにかく、食べないというのだから、尚樹は瓶の蓋にかけた手を下ろした。
「じゃあ、その彼氏と一緒に来ればよかったのに、どうしてこんな遅い時間に、それも一人でやって来たの?もし俺が下心ありありの男だったらどうするのさ?」
ニヤリと口角を上げる尚樹に向かって、女は挑発するように唇を突き出す。それからとんでもない言葉も突き出した。
ん?ということは、この店に連れてきてあげると言った相手の男はこの店の客なのか?
常連、それとも時々の客なのか。はたまた人づてに聞いただけとか。いずれにしても、この店の事を知っているのは間違いないはずだ。
いったいどういう経緯でこの店の存在を知っているのか、興味津々で女に聞いた。
「その彼って、うちのお客さんなんですか?」
「お客っていっても二回くらいしか来たことないらしいんだけど、良い感じなんだって」
良い感じ。そうか、気に入ってもらえたのか。だけど、なんで、それなら二人でくればいいものを、なんでこの女一人で、それも閉店間際の真夜中に、一人で来たのだろうか。
カウンターの端に置いてある大きなガラス瓶に入ったナッツを、女が物欲しそうに見つめていたので、食べるかと聞くと首を横に振る。食べたいけど食べられないの、と口を尖らせる表情がこれまた色気がある。ダイエットでもしているのか、吹き出物でも気にしているのか。とにかく、食べないというのだから、尚樹は瓶の蓋にかけた手を下ろした。
「じゃあ、その彼氏と一緒に来ればよかったのに、どうしてこんな遅い時間に、それも一人でやって来たの?もし俺が下心ありありの男だったらどうするのさ?」
ニヤリと口角を上げる尚樹に向かって、女は挑発するように唇を突き出す。それからとんでもない言葉も突き出した。