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マスター・ナオキの怪店日記
第12章 夢の導き
毎度さんにも笑みを返してから志穂は、
「驚かしてしてやんなさいよって、言われたのよ」と、注文せずともでてきたビールのグラスを掴みながら言った。
「驚かしてやれ?・・誰に言われたの?」
ビールで喉を潤し目じりを下げる志穂の言葉は、尚樹の中で消化しきれない。自分との予告なき再会を勧めるような人物に心当たりはまったくない。いったい、誰が・・
ゴリさんも毎度さんも、尚樹と一緒になって話の続きを促す視線を志穂に送る。すると志穂は、三人の顔をじゅんぐりに見つめてから答えた。
「夢の中で、よ」
「夢の中で?」
三人同時に同じ言葉を叫んだ。
志穂は、うんと肯いてから話を続けた。
「昨夜ね、めずらしく夢を見たのよ。ちょっと見せてって店に女性客が入って来たの。そうだな、私よりぜんぜん若くてイイ女風な感じの。で、物件を探してるんだか何だかよくわからなかったんだけど、なんか話が盛り上がって。そうしたらその女性が唐突に、彼のお店に突然行って彼を驚かしてやんなさいよって、言うのよ」
「で、その夢の通りに連絡なしで来たのか?」
「驚かしてしてやんなさいよって、言われたのよ」と、注文せずともでてきたビールのグラスを掴みながら言った。
「驚かしてやれ?・・誰に言われたの?」
ビールで喉を潤し目じりを下げる志穂の言葉は、尚樹の中で消化しきれない。自分との予告なき再会を勧めるような人物に心当たりはまったくない。いったい、誰が・・
ゴリさんも毎度さんも、尚樹と一緒になって話の続きを促す視線を志穂に送る。すると志穂は、三人の顔をじゅんぐりに見つめてから答えた。
「夢の中で、よ」
「夢の中で?」
三人同時に同じ言葉を叫んだ。
志穂は、うんと肯いてから話を続けた。
「昨夜ね、めずらしく夢を見たのよ。ちょっと見せてって店に女性客が入って来たの。そうだな、私よりぜんぜん若くてイイ女風な感じの。で、物件を探してるんだか何だかよくわからなかったんだけど、なんか話が盛り上がって。そうしたらその女性が唐突に、彼のお店に突然行って彼を驚かしてやんなさいよって、言うのよ」
「で、その夢の通りに連絡なしで来たのか?」