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マスター・ナオキの怪店日記
第12章 夢の導き
夢のお告げみたいな非現実的な事を、志穂が真に受けたというのが尚樹にとっての一番の驚きだった。
以前、占いみたいにあてにならないものを信じるなんて自分にはムリ、なんて鼻で笑っていたのに。
「夢に導かれて、なんて言いながらも本当はマスターに会いたくなったんじゃないの?」
ニヤついた顔でからかう毎度さんの言葉に、今度は表情を曇らせて志穂が続けた。
「だけどちょっと怖かったんだけど、その女性、いいお店じゃないの、マスターも素敵だしって、まるでこの店に来たことがあるみたいな口ぶりだったのよ」
尚樹の表情は次第に凍っていくように冷ややかになる。この店を、自分の事を知っている様子、そして志穂よりも若いイイ女。まさか、三日前のあの客ではあるまいか・・
「なあ、その女性に何か特徴ってなかったか?服装とか・・」
宙を仰ぎ、記憶を手繰り寄せている志穂が、あっと声をあげた。
「そうそう、耳の上に蘭の花を挿していたわ。ちょうど・・カクテルに添えられているその、ほら、その蘭の花、それと同じ花を挿してた」
以前、占いみたいにあてにならないものを信じるなんて自分にはムリ、なんて鼻で笑っていたのに。
「夢に導かれて、なんて言いながらも本当はマスターに会いたくなったんじゃないの?」
ニヤついた顔でからかう毎度さんの言葉に、今度は表情を曇らせて志穂が続けた。
「だけどちょっと怖かったんだけど、その女性、いいお店じゃないの、マスターも素敵だしって、まるでこの店に来たことがあるみたいな口ぶりだったのよ」
尚樹の表情は次第に凍っていくように冷ややかになる。この店を、自分の事を知っている様子、そして志穂よりも若いイイ女。まさか、三日前のあの客ではあるまいか・・
「なあ、その女性に何か特徴ってなかったか?服装とか・・」
宙を仰ぎ、記憶を手繰り寄せている志穂が、あっと声をあげた。
「そうそう、耳の上に蘭の花を挿していたわ。ちょうど・・カクテルに添えられているその、ほら、その蘭の花、それと同じ花を挿してた」