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マスター・ナオキの怪店日記
第13章 冥途の土産
バーに来たのに酒が飲めない。酒が飲めないのにバーに来た。戸惑うマスターに向かって男は姿勢を正し頭を下げた。
「私、長澤です。長澤信彦の息子です」
えっと小さく叫んだ尚樹に、もう一度男は頭を下げた。
「長澤信一といいます。両親からこちらのお店で仲間に入れてもらい、マスターにはとてもよくしていただいていると聞いて、ご挨拶にと足を運んだわけなんです。なので、酒も飲めないくせにのこのことやって来ました」
「そうでしたか。いえ、こちらこそ長澤さんご夫婦には店を気に入っていただけてありがたく思っているんです。あ、ではジンジャエールはいかがですか?私の手作りなので一味違いますよ」
「いいですね、お願いします」
ガラスの壺から尚樹お手製のジンジャエールをくみ上げる。シュワシュワと泡の踊るグラスにスライスしたライムを添えて信一の前に置いた。
いただきます、とさっそく口にした信一は、頬を持ち上げて美味しさを表現していた。
「お口にあいましたか?」
「ええ、もちろん。両親が気に入るのがわかります。しばらくこちらへ来られない事をすごく寂しがっているのも納得ですよ」
「私、長澤です。長澤信彦の息子です」
えっと小さく叫んだ尚樹に、もう一度男は頭を下げた。
「長澤信一といいます。両親からこちらのお店で仲間に入れてもらい、マスターにはとてもよくしていただいていると聞いて、ご挨拶にと足を運んだわけなんです。なので、酒も飲めないくせにのこのことやって来ました」
「そうでしたか。いえ、こちらこそ長澤さんご夫婦には店を気に入っていただけてありがたく思っているんです。あ、ではジンジャエールはいかがですか?私の手作りなので一味違いますよ」
「いいですね、お願いします」
ガラスの壺から尚樹お手製のジンジャエールをくみ上げる。シュワシュワと泡の踊るグラスにスライスしたライムを添えて信一の前に置いた。
いただきます、とさっそく口にした信一は、頬を持ち上げて美味しさを表現していた。
「お口にあいましたか?」
「ええ、もちろん。両親が気に入るのがわかります。しばらくこちらへ来られない事をすごく寂しがっているのも納得ですよ」