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マスター・ナオキの怪店日記
第13章 冥途の土産
やはり、何か理由があってここに来られないのか。その理由が今夜分かるのかと思うと、妙な期待感で尚樹の鼓動は元気よく跳ねた。
「信彦さんと照美さんに何かあったんですか」
尚樹は身を乗り出すようにして話を促そうとする。そのタイミングで客が立ち上がり、落ち着くとまた客が帰っていく。それを何度か繰り返しているうちに、店には信一一人になった。
「すみません、バタバタしちゃいましたね。でもこれでゆっくりお話しができます」
半分に減った信一のグラスにジンジャエールを足し、自分もグラスに同じものを入れて話を聞く態勢を整えた。
「それで、ご両親にはなにか事情が?」
「実は・・私の看病のために埼玉の実家に戻って来てくれているので、それでこちらへは来られないのです」
「あなたが?ご病気されていたんですか?」
尚樹の目は驚きに見開き、病み上がりであろうこの男の顔や両肩を見つめた。
「信彦さんと照美さんに何かあったんですか」
尚樹は身を乗り出すようにして話を促そうとする。そのタイミングで客が立ち上がり、落ち着くとまた客が帰っていく。それを何度か繰り返しているうちに、店には信一一人になった。
「すみません、バタバタしちゃいましたね。でもこれでゆっくりお話しができます」
半分に減った信一のグラスにジンジャエールを足し、自分もグラスに同じものを入れて話を聞く態勢を整えた。
「それで、ご両親にはなにか事情が?」
「実は・・私の看病のために埼玉の実家に戻って来てくれているので、それでこちらへは来られないのです」
「あなたが?ご病気されていたんですか?」
尚樹の目は驚きに見開き、病み上がりであろうこの男の顔や両肩を見つめた。