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比翼の小鳥
第1章 穢された純潔
騒がなければ。
大声を出さなければ。
そうしたら殺されずに家に帰してくれるだろう。

わたしたちはそんな言葉を信じてしまうほど、まだ幼かった。

「そのまま口開けてろよ」
男はわたしの頭を掴んで、思いきり腰を振った。
苦しくてつらくて、涙がこぼれた。

わたしの泣き顔に興奮したのか、男は喉の奥に体液を放出した。「飲み込め」と命令する。
「吐き出したら、姉ちゃんを殺すからな」

お姉ちゃんのため。
大好きなお姉ちゃんのためだから。

わたしは自分にそう言い聞かせて、苦くて生臭い体液を無理やり喉の奥へと流し込んだ。

「よぅし、いい子だ」
妙に間延びした声で男が言った。
「頑張ったご褒美をやらないとなぁ。お前も姉ちゃんみたいに気持ちよくなりたいだろ?姉ちゃんなぁ、おもらしするほど気持ちよかったみたいだぜ」
周りの男たちが、嘲笑う気配がした。

お姉ちゃんはわたしを見て、それから、ふるふると頭を振った。
え?と思う間もなく、わたしは男のがっしりした腕に後ろから抱きかかえられた。
ママが、和式のおトイレでおしっこを手伝ってくれる時のように、足を開かされた。

お姉ちゃんも、わたしと同じような形で足を開いて抱えられている。
向かい合わせのわたしたちは、まるで鏡に映った人形みたいだ。
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