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闇に蠢くツチノコ
第2章 幹事がいない同窓会
 で、まだその姿を表さない幹事はこの春に上場企業に就職した要は勝ち組。
でも、決して優等生なんかではなく、少し大人びていて、要領も良く、厳しくも仲間想いで優しい男。あと親が会社経営者でかなりのお金持ち、かな。
「悩みがあるなら今夜は聞いてやりたいよな。あいつには色々話を聞いて貰ったからな」
僕はほろ苦い過去を飲み干せずに吐き出した。少し前の話。些細な事で学校と揉め退学を決意した僕に、辞めるな!と最後まで、それこそ夜明けまで言い続けてくれた幹事。結局は退学したけどね。
「俺だってそうさ。ただ、あいつはプライドが高いからな。絶対に自分からは話さないよな」
シュンもまたビールで、喉元で、過去を潤しているように見えた。
僕は今、親父が経営している工務店を手伝っている。
隣にいるケイタとカツは相変わらず小声で何やら言い合いをしているのが僅かに聞こえるも途切れた。

「____」

僕ら五人は小学校時代からの仲間。中学卒業と同時に道はそれぞれ別れたけど友情は続いていた。
幹事はこの個性豊かな連中をまとめるリーダー役だった。
僕ら四人は不意にというより、それこそ予期せぬトンネルの入ったかのように黙りこくった。

この先は想像通りの景色か、それとも映画のような雪景色だろうか。
どちらにせよ、過去には戻れやしないという現実が待っているのは間違いないんだ。
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