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闇に蠢くツチノコ
第2章 幹事がいない同窓会
「知らねぇよ」
「つまり嘘つきは関ちゃんって事?」
僕は思い切って挑発するも乗ってはこない。ただ黙って地面にツバを吐き捨てた。
「、、ったく!関ちゃんは親友で大事な仲間だ。ただ、俺はあいつの全てが好きだった訳じゃない」
「、、、、」
「、、ったく!つまりはこう言う事だ。キノコは木の子供。タケノコは竹の子供。じゃあツチノコは?って、、土の子供だってよ!近所にあったろ?親に捨てられた孤児がいる施設がよ!」
ケイタは怒りに任せるように小石を蹴飛ばした。
「土の子、、大地の子?つまり差別用語かぁ」
シュンは呟き、カツは黙って夜空を見上げていた。
「俺ぁ、自分でもよくわかんねーけど、、昔から差別が大嫌いなんだよ!生まれなんてしゃあねぇーだろ?あいつはたまにそういう所があるんだよな!ったく!本当の事を知った時は流石にぶん殴ったよ!ただ関ちゃんも、、分かってくれたからな。まっ、もう昔のガキの頃の話さ」
(らしいな)
改めて僕は、いや全員が思っている筈だ。
少々内気だった僕を始め、とんでもない不良だったカツに気難しい芸術家肌のシュン。
そしてエリートの関ちゃん。
多種多様の人間と分け隔てなく誘うケイタは良く言えば人に対しての偏見は全くない。だから差別を嫌うのも理解出来た。ただ悪く言えばガサツで無神経なんだけどね。当然嫌う連中も沢山いた。
( なんか 妙だな、、)
自分でも不思議な違和感だった。確かに関ちゃんは皮肉屋な一面もある。でも基本的には優しい男だ。果たしてそんな差別発言をするのだろうか?
「もういいだろ?次はホント容赦しねぇぞ!」
そしてもう一つ。何故に今まで言わなかった?という事だ。
実の所、このツチノコ騒動は火はいつまでも消える事なくケイタの周りを纏わりつき、それこそ勝手に一人歩きしていた。
ケイタが暴力事件を起こし高校を退学したのも、そもそもの理由はクラスメイトからツチノコくん、などと揶揄されたからだと聞いている。
「だったら早く言えよ」
カツも煙草に火を灯した。
「バーカ!んな事したら夢がなくなるだろ?なぁシュン!」
「はぁ?夢って、、バカはお前だよ」
シュンが笑うと、僕とカツも釣られて笑い、どこか無理矢理に違和感を消していたんだけど、

、、結論を言えばツチノコとは関ちゃん自身だった。
そう、あれは自らを揶揄した発言だったんだ。
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