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<インランランドで淫乱体験>「私んちは淫乱家族」―続編の2
第13章 タトゥーのシール

熟年男性をなだめるように、店員さんは優しく丁寧に解説します。

「彫る必要なんてありません。指の爪にマニキュアを塗るよりも簡単ですわ」

「なに? どういうことだ?」

「刺青を印刷したシールをはがして、絵柄を貼りつけるだけですわ。奥さまのブラジャーをはずしてオッパイに……、スカートをめくって太ももに……、胡蝶蘭や紅孔雀の刺青などいかがでしょうか? 殿方にはヤマタノオロチや河童の滝登り、お互いに貼り合ううちに、刺激的なセックスのきっかけになることでしょう。刺青がヤクザの紋章だなんて、100年前の任侠映画の世界でございますわよ」

「ふーむ、そうか。簡単に貼れて、いくらでも貼り替えができるのか。そんなにたくさん絵柄を選べるのか?」

「もちろんですわ。葵の御紋に菊の紋章、世界の国旗に花にエッフェル塔にピラミッド、祇園の舞妓や女刑事、イルカに乗った少年や水洗トイレの便器まで、ありとあらゆるデザインの刺青を1万種類も取り揃えておりますから、その日、その時の気分で、相手に合わせてお選びいただけますわ」

「うーむ、刺青ごっこか……、昔、あこがれて観た遠山の金さんみたいに、背中に桜吹雪を散らすこともできるのか。そうだ、俺のいなせな刺青姿を、孫娘のハナちゃんに見せてやろうか……」


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