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<インランランドで淫乱体験>「私んちは淫乱家族」―続編の2
第23章 竜宮城

船長が怒り心頭に発して拳を振りかざしたその時……、
大広間の天井から麗しき声が、鈴の音のごとく玲瓏な響きをもって舞い降りてきたのです。
「ここは豊饒なる海の水府、人魚や魚介たちの桃源郷、永遠の生命をはぐくむ竜宮城でありまするぞ」
トラフグの人魚姫がうやうやしく拝礼すると、船長の耳元にそっと唇を寄せて囁きます。
「乙姫様でございますよ」
「どこだ? 姿が見えぬが、どこにいるのだ?」
乙姫様の声が響き渡ります。
「勇気ある屈強な海の男よ、よくぞここまで辿り着けました。そなたの剛毅をたたえて歓迎し、手厚くもてなしてあげましょう」
トラフグの人魚姫は、うろたえる船長を置き去りにして足早に後ずさります。
人魚姫が大広間から出て金屏風のふすまがピシャリと閉められると、明かりが消えてスポットライトが照射され、ムクムクと白煙が湧き上がったのです。

