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雪エルフのメイドはホムンクルス執事と
第4章 ホムンクルス執事が目覚めたら
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 目を覚ましてみたら、涙と鼻水を流しながら、猿のように顔を真っ赤にした女の子がいた。たぶん容姿や雰囲気からして雪エルフだろう。

(若いな。あのときの娘の方か)

 この家の女房がスノーエルフなこともよく知っている。この娘がこの地下室に「お世話」係で出入りする前にはたまにやって来て、掃除しながら世間話やらつかぬ愚痴をベラベラ喋っていた覚えがある。
 腕や肩など触りながら、「うちの人と比べてあーだこーだ」など日常茶飯事。「こうして手頃な二人目がいると、結婚生活の倦怠気分も紛れますわ。うちの人は大事ですけど、毎日ずっとですから。でも浮気までするのは面倒だしやっぱり夫が可哀想ですからねえ。私には一番いい人ですし。あなただって、お友達の息子のことならあの人がどんなふうか、想像がおつきになるでしょう?」などと言いながら、彼を「架空の同僚・異性の友人や浮気相手」に見立てて「精神的な玩具」にしていたとしか思われない。
 きっと雪エルフという種族は根は好色でスケベで寂しがりの「ツンデレ気質」というやつなのだろう。プライドが高く孤高、しばしば利己的・冷酷で人間やドワーフを見下しているはずなのに、ロマンス劇で人間の男と共演する逸話も多い。
 だが今のこの娘の様子からすると、変事が起きたとしか思われない。
 訊ねる前にベラベラと自分から説明してくれるのはありがたいが、「女ってお喋り好きだなー」と思ったのは内緒。たぶんありふれた運動欲求やゲームや遊びの趣味などと同じで、コミュニケーション欲求が強いのだろう。だから、「会話の内容」というよりは「会話して連帯感やコミュニケーションしている」ことを楽しんで重きを置いているところがあるのか。

「ゴブリンがそこまで来てます! 母と弟が危ないんです、町中にゾンビやスケルトンが」

(おおっ! 的確に手短に言ってくれたな)

 なんとなく、頭でも撫でてやりたい気分になる。
 火急のときに要領を得ない長広舌では面倒な上に有害ですらある。それを弁えているこの娘はボチボチ賢明だったろうし、ちゃんと一人でも助けを呼びに来たのが偉い。
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