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雪エルフのメイドはホムンクルス執事と
第3章 死霊術の真昼
4
 どうやら母も、キアラに真っ先に気づいたようで、目配せで「来るな、逃げなさい」と伝えてくる。けれどもキアラはあまりの光景に虚脱してしまって呆然と立ちつくしてしまう。
 ショックで漏らしてしまった小水がパンツの中で溢れ出し、内ももを伝って靴下を濡らす。ゴブリンは臭いや気配を察したらしい。

「逃げて!」

 母は血相を変え、両手で手近なゴブリン二匹の陰茎を素早くつかんで、さらには口で別の一匹の陰部にしゃぶりつく。四つんばいの背後から挑んでいるもう一匹をあわせて四匹を相手にしている。
 残りの四五匹はフリー手持ち無沙汰で、ほんのすぐ近くにキアラという娘がいる。

「ひっ!」

 考える前に足が動いていた。
 それでも最後の理性の力が走り出す方向を定める。

「執事さんを!」

 わずかに振り返って、後方確認のついでにでも、どうにかそれだけ言えた。「待ってて、執事さんを連れてくるから」と言いたかったが、ゆっくり言い置きする余裕もない。でも、母にはちゃんと聞こえただろうか。


5
 ほんの二百メートルかそこらの全力疾走で、キアラは汗だくに青ざめていた。恐怖と戦慄に駆り立てられた死に物狂いの大疾走の脚力の代償、限界突破した肛門から熱い漏出物を吹きこぼして。
 玄関のドアの鍵をあけるのももどかしく、追いつかれるよりはと、窓ガラスに突っ込んで転げ込む。破片であっちこっちから負傷の血が出たし、弾みで小水がダダ漏れだったが気にする余裕はない。

(助けて、助けて、助けて!)

 頭の中では悲鳴と哀願の言葉が、声にもならずにグルグルと回り続けていた。吹雪で凍えたような表情で地下室の入り口に辿り着いたときには、心からホッとして目から涙が流れ出す。
 幸運にも、地下室への通用口は鍵をかけないのが習慣だった。「彼」は一家の執事であり客人であって、閉じ込められている囚人ではないからだ。備えつけのかんぬきや掛け金はかえって地下室側からかけられるようになっている。
 たどり着けば何食わぬ顔で安楽椅子に居眠りする彼が小憎らしい。お姫様の危機に駆けつけるどころか、お姫様に走って駆けつけさせるなんて。キアラは泣き笑いながら、荒い息を吐く。
 眠り姫は王子様のキスで目が覚める。
 だったら執事がメイド娘のキスで目覚めて良さそうなものだろう。キアラは彼に、初々しい塩辛い唇を押しつけて「起床」を囁いた。
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