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雪エルフのメイドはホムンクルス執事と
第2章 ホムンクルス執事の見る夢
「そうだったのか! だから、君がここにやって来たということか。そうかそうか、そうだったのか」

一人で合点している司祭博士に、ドワーフの少年はいささかゲンナリする。
とはいえ、味方の戦力としては有難いことこの上もない。彼一人だけでは、魔族と戦って復讐するのは難しいだろうから。

それが数十年も百年も昔の少年の冒険の始まりで、それはユーリの祖父とホムンクルス執事の物語だった。


2
しばしの冒険のあとで、彼は長い居眠りとうたた寝に入った。スリープ状態で、自動修復優先モード。長期間の連続稼働は「摩耗」をもたらすし、それこそが目先の稼働パワー限界よりもネックだった。
それでもまどろみながら、昔の記憶を夢に見ながら、うっすらとした浅い意識があった。だから友人の息子君が二人の子供を連れて挨拶と顔見せさせにきたことも、ちゃんとわかっていた。

(この娘、またおバカしている?)

目を開けなくても気配でわかる。パワー源の地磁気とのリンクもレーダーみたいなもので、町周辺の大きな動きも反響で伝わってくる。
キアラという娘が、何か喋っている。やらかすことが油断とふざけの連続なものだから、もしも「長期間スリープ状態」でなかったとしたら噴き出してしまったかもしれなかった。
だんだんやることが大胆になってエスカレートしてきたが、長期スリープは解除と導入が少し面倒なので、そのままにして好きにさせておく(いっそ面白いので)。よく「眠っている女に勝手に男がイタズラして」という話はしばしば非難されるが、女性側がやる分にはあまりお咎めにはならないものらしい。不公平ではあったが、立場や感覚が違うのだから、まあそんなものだろうか。
やがて町の外の多くで、よほど大規模な死霊術が行われた気配が、リンクしている地磁気に反響した波動で伝わってくる。
しばらくしてこの地下室への階段を、あのよく知った足音が駆け下りてくる。

「起きて! 力をかしてください!」

頬に小さく手のひらが触れて、切迫した声と涙混じりの吐息を間近に感じる。
彼は目を見開き、高級ホムンクルスの紫色の瞳で彼女を初めてじかに見つめた。それは遠い昔の恋人のような、まだ未熟で線の細い娘だった。遠い昔にも、似たような女や子供のこんな表情を見たことがある。

「ふうん。可愛らしいけど、どうせだったらもっとグラマーでセクシーなお姉さんの方が良かったな」
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