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人生逆転した男
第2章 保険外交員 水瀬祐希
木原は仮想通貨で大金を得てからも、会社の中では誰にも悟られないよう至って通常通り努めた。
身の回りの持ち物を派手にすることもなく、周りから見れば相変わらず地味な男に見えているであろう。
昼の休憩時間になる頃だった。
時間を見計らったようにオフィスの入口からきっちりとスーツを着こなした、ハイヒールを履いた女性がコツコツと音を立ててさっそうと現れた。
大手保険会社の水瀬祐希だ。
彼女は週に一、二回木原の会社に訪問しては社員たちに向けて保険商品の営業をかけていく。
彼女が来る曜日はルーティン化されていて、木原は大体を把握していた。
今日は木原の読み通り彼女は現れた。
木原はゴクリと生唾を飲み込んだ。
水瀬祐希は木原の会社の担当になって半年になる。
半年前、彼女が勤める保険会社の支店長が直々に訪れて木原の上司の総務部長に担当変更の挨拶をしていった。
木原の勤める会社の規模は大きく保険会社に取っては大口の顧客だった。
それなりに優れた外交員が抜擢されるが、その支店長曰く
彼女は支店のエースとのことであった。
挨拶が終わってから「あんなに若い子が担当になるのは珍しいな」と総務部長が漏らしていたが、何でも大卒4年目らしい。
年齢でいうと25、6だ。
確かにこの規模の会社を担当するには経験年数が浅いように思えた。
競合の保険会社が複数出入りしているので、対応が悪いと新規契約数が落ちるリスクは当然考えられる。
だが彼女にとってはそんな懸念は杞憂だった。
彼女に担当が変わってから新規契約数は鰻登りのようだった。
団体割引が適用されるため、総務の木原は契約数を把握していたのだが、競合保険会社の契約数が目に見えて落ち込むほど彼女は契約を勝ち取っていた。
この半年の成績を見るとあの支店長がエースと言うのも頷ける。
他の保険会社も当然やり手の外交員を送り込んできていたが
水瀬祐希はあきらかに他よりも抜群のルックスに爽やかな笑顔を絶やさない、そして対応も至極丁寧だった。
彼女と話すだけで男性社員たちは活き活きとしているように見えた。
入社したての若い社員などイチコロだろうと木原は思った。
身の回りの持ち物を派手にすることもなく、周りから見れば相変わらず地味な男に見えているであろう。
昼の休憩時間になる頃だった。
時間を見計らったようにオフィスの入口からきっちりとスーツを着こなした、ハイヒールを履いた女性がコツコツと音を立ててさっそうと現れた。
大手保険会社の水瀬祐希だ。
彼女は週に一、二回木原の会社に訪問しては社員たちに向けて保険商品の営業をかけていく。
彼女が来る曜日はルーティン化されていて、木原は大体を把握していた。
今日は木原の読み通り彼女は現れた。
木原はゴクリと生唾を飲み込んだ。
水瀬祐希は木原の会社の担当になって半年になる。
半年前、彼女が勤める保険会社の支店長が直々に訪れて木原の上司の総務部長に担当変更の挨拶をしていった。
木原の勤める会社の規模は大きく保険会社に取っては大口の顧客だった。
それなりに優れた外交員が抜擢されるが、その支店長曰く
彼女は支店のエースとのことであった。
挨拶が終わってから「あんなに若い子が担当になるのは珍しいな」と総務部長が漏らしていたが、何でも大卒4年目らしい。
年齢でいうと25、6だ。
確かにこの規模の会社を担当するには経験年数が浅いように思えた。
競合の保険会社が複数出入りしているので、対応が悪いと新規契約数が落ちるリスクは当然考えられる。
だが彼女にとってはそんな懸念は杞憂だった。
彼女に担当が変わってから新規契約数は鰻登りのようだった。
団体割引が適用されるため、総務の木原は契約数を把握していたのだが、競合保険会社の契約数が目に見えて落ち込むほど彼女は契約を勝ち取っていた。
この半年の成績を見るとあの支店長がエースと言うのも頷ける。
他の保険会社も当然やり手の外交員を送り込んできていたが
水瀬祐希はあきらかに他よりも抜群のルックスに爽やかな笑顔を絶やさない、そして対応も至極丁寧だった。
彼女と話すだけで男性社員たちは活き活きとしているように見えた。
入社したての若い社員などイチコロだろうと木原は思った。