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私と"影"
第2章 夢の中の声
気が付くとまたあの暗闇の中にいた


「ここは‥‥‥今朝に見た夢の中?また‥‥‥夢を見ているの‥‥?」


周りを見渡したけれど闇しかなく、どうしようか悩んでいた時、あの気配を感じ振り向いた
その瞬間、影が私の身体を包んだ


「‥‥あっ‥‥‥」


私の心臓は大きく音をたてた

やっぱり抱き締められてるみたい‥‥

目を閉じると、今度ははっきりと温もりを感じた
それはとても心地よくて、何だか少しドキドキした


「今日は一度も話し掛けてくれないんだね‥‥」

「‥‥えっ?」


私は驚いて目を見開いた


「そんな事されると、僕は消えちゃうんだけどな‥‥」


とても淋しそうな低い声音で呟やかれ、その時に初めて、今日は朝から一度も私の中の声と会話をしていない事に気が付いた

やっぱりこの声‥‥私の中の声なのかな‥‥
だとしたら‥‥嬉しい‥‥かもしれない‥‥
私だけの存在

普通だと考えられないけれど、私はきっとそうだと思い始めていた
いや、そう思いたかった


「‥‥あっ‥‥‥ごめん‥‥なさい。でも消えちゃうって、それは‥‥どういう‥事?」


私が恐る恐る聞くと、短い沈黙の後に呟くように影は言った


「もっと僕の存在を感じて‥‥‥っ」


その時、私を抱き締めている力が更に強くなった


「‥‥‥っ!!!」
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