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透明なリーシュに結ばれて
第4章 宿
「翔くん」 
 下から帆夏の声が聞こえた。僕は二階のリビングから一階に下りた。
 帆夏は二つあるベッドの奥の方で胸の所で手を組んで天井をの方に顔を向け寝ていた。目を瞑り、ホテルの白いガウンを羽織っている。
「……」
 言葉を失って僕は立ったまま帆夏を見ている。
「翔君も横になりなさい」
「はい」
 僕はもう一つのベッドの上で横になった。
「翔君、こっち」
 帆夏は自分が仰向けになっているベッドをポンポンと軽く叩いた。
「……」
 いいんですか? と言おうとしたが止めた。いいんですか? きっとその台詞は場をしらけさせるだけだ。そして僕は、僕という存在を帆夏に感じさせないようにして帆夏の隣に仰向けになった。何かいい匂いがする。めっちゃいい匂い。
「考えていた?」
「はっ?」
「お風呂に入ったら私とやれるとか」
「……」
 僕が無言なのは、帆夏の言うことを考えていたからだ。
「エッチなこと考えていたんでしょ」
「すみません!」
 僕は謝罪のときだけは声が大きくなるようだ。
「ふふふ」
「すみません!」
 僕はもう一度謝った。
「ふふふ、正直でよろしい。あと五分だけ待って。疲れちゃった、今はこうして目を閉じていたいの」
「全然かまいません!休んでいください!」
 謝罪以外でも僕の声は大きかった。
 五分だけ待って、とは、五分後はどうなるのだ。そして目を足元にやると、ガラス張りのむこうにパウダールームと浴室が見えた。
 パウダールームに何かが掛けられている。目を凝らす。それは帆夏の下着だった。宿泊することなんか元々の予定にはない。帆夏も僕も宿泊するための着替えなど持ってきていない。だから帆夏は自分の下着を洗ったのだろう。
 ブラジャーとショーツ。んん? ショーツ? それともTバック?……というより紐と言った方がいい。そう帆夏は紐を穿いていたのだ。
 それだけで僕の胸の鼓動が大きくなる。紐、紐を穿く。紐を穿く女……。
 そんなことが頭の中を駆け巡る。そのときだった。
「翔君」
「はい」
 自分で言うのも何だがいい返事だ。
「ルール一。目を瞑って五十数える。ゆっくりね」
「……?」
「返事は」
「はい」
「ルール二。シャワーでしっかり体を洗う。私のじゃなくて自分の体のことよ」
「はい」
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