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透明なリーシュに結ばれて
第7章 相対性理論について
 光速に近づくと未来に行けるかもしれないって誰かが言ってたよな。確かあれは高校のときの物理の教師、名前は……わからん。考えろ!考えるんだ!考えないと……出る。
 一分間の我慢だ。一分で僕の人生は変わる。間違いなく変わる。いや、絶対に変わる。射精を一分我慢した先の僕の人生はバラ色のはずだ。だから僕は帆夏からペニスをしゃぶられながら相対性理論について考えているのだ。
 この小難しい難題について僕は考え続ける。考えて考えて、もしかしたら僕は光の速さでアインシュタインを追い越すかもしれない(そんなわけない)。
 でもやばい。いい感じで帆夏の舌が僕の肉棒に絡みついてくる。絡みついて締め上げて、帆夏の舌は僕の精液に呼び掛けているのだ。「早く出てきなさい」と。
 白旗など僕は絶対に上げない。上げるものか……でも、気持ちいい。ああ……出そうだ。
 あっ、思い出した。物理教師の名前は下田初子。歳は四十くらいだったろうか。眼鏡を掛けた貧相なおばさんだった。そういえば服も地味だった。いやいや何もかもが地味だった。
 ある日。僕の友人が下田初子を見て僕にこう問いかけた。
「あのおばさん、犯れる?」
 僕は正直に答えた。
「場所は無人島。そこに僕と下田が漂流する。島には僕と下田二人しかいない。オナ禁一週間。たとえ下田の乳房が貧乳(実際下田は乳房が小さかった)でも僕は下田に飛び掛かって犯す」
「まじ?」
 友達は僕の回答を聞いてゲラゲラ笑った。
 実はその後、僕は下田初子で何度か抜いた。あのとき友人が僕に訊ねなかったら、僕は下田初子をおかずにして自分の肉棒をしごくなんて絶対にしなかったと思う 
 今なら告白できる。下田初子をおかずにした自慰行為もまんざらではなかったと。はっきり言えば下田初子でも気持ちよかった。
 ひょっとして僕の熟女好きはあのときから始まったのではないだろうか。 
 あーダメだダメだ。地味で眼鏡を掛けた下田初子のことを考えたら気持ちよくなってきてしまった。今僕がやらなければならないことは気持ちよくならないことなのだ。
 まずい、そしてやばい。僕の肉棒が悲鳴を上げている。「助けてくれ」「もう楽にしてくれ」「ああ、いく」と。でもがんばるんだ僕の肉棒。一分の辛抱だ。肉棒よ。精液の放出を一分我慢すればお前は天国に行ける。僕は僕の肉棒に約束する。一分の辛抱だと。
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