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透明なリーシュに結ばれて
第1章 始まり
 僕たち三人はカウンターの奥にある調理場に目をやった。
「あの、お名前は……お名前を聞かせてもらっていいですか?」
「翔、何言ってるんだよ。失礼だろ」 
 権藤が僕にそう言った。
「ふふふ。翔君、こんなおばさんでもナンパしてくれるの? 何だか嬉しいわ」
「違います! おばさんなんかじゃありません!」
「翔、まじで声大きいいよ」
 今度は山名。
「ふふふ。いいわよ、名前は帆夏(ほのか)。私は君波帆夏。よろしくね」
「きみなみほのか……さん。歳は? 帆夏さん、帆夏さんはおいくつですか?」
「バカ野郎、いい加減にしろよ。女性に年齢訊くのなんて最低だぞ」
 押し殺した山名の声が、僕に飛んできた。
「そうね、それは失礼ね」
「すみません」
 僕が詫びると、山名と権藤も帆夏に頭を下げた。
 僕たちは帆夏がすすめたハンバーガーとノンアルのビールを頼んだ。メニューに目を落とし別の料理を探す気力のようなものは僕たちにはなかった。
「翔、最近お前変だぞ」
「お前いつから熟女好きになったんだよ」
 権藤が山名に続いてそう僕に言った。
「いい女は歳なんか関係ないだろ」
「無理、無理。俺は絶対に無理。マックス二十五まで、いや二十三かな。とにかく熟系は無理」
 権藤はそう言うと、レモン水を口にした。
 ちなみに僕は五月に、山名は六月に二十歳の誕生日を迎えた。権藤は……確か九月か十月に二十歳になるはずだ。
「ところで翔、お前最近評判悪いぞ」
 山名が僕に向かってそう言った。
「何だよ、評判て? そもそも評判になるようなことなんてしてねぇよ」
「いかないんだって?」
 山名がそう言って僕の顔を覗き込む。
「いかない? 何が?」
 僕は山名が何のことを言っているのかわからなかった。
「摩耶ちゃんがさ、一生懸命ご奉仕しても、お前いかないんだろ?」
「摩耶? って? ……あっ、あのくそ女」
 山名が言う摩耶は、僕たちが通う風俗店で僕がいつも指名する女の名前だ。
「翔、お前いかないのか!」
 権藤は僕に問いかけるのではなく、店中に響くような声で叫んだ。三人の中で権藤の声が一番でかい。
「静かにしろよ権藤。翔の秘密がばれるじゃないか?」
 山名はそう言って辺りを気にするようにして見回した。
「あのさ、俺がいかないんじゃないんだよ。あのくそ女が下手なだけだ」
「まじ?」
 相変わらず権藤の声は大きい。


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