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透明なリーシュに結ばれて
第10章 瓦解のとき
「おめでとう翔、お前にもようやく春が来たな」
 秋だよ、と権藤に言ってやりたかったが我慢した。
「忍ちゃん、翔は背だけは高いけどシャイな奴だからよろしくね」
 山名、何がよろしくだ。いやそこじゃない。このクソ生意気なガキの名前は忍だったのか。
「はい」
 返事なんかすんじゃねぇよ。黙ってろよ、忍と言う小娘。
 腹が立った。だが山名も権藤も僕の怒りを無視して獲物の女二人を連れて先に店を出た。
「会計済ましておくから」
 権藤がそう言って僕の肩をポンと一つ叩いた。当たり前だ。何ならこの先の支払いはみんな山名と権藤にしてもらう。
「これからどこに行く?」
 小娘がそう僕に訊ねた。
「帰るよ」
「帰るってどこに?」
「家に決まってんだろ。君もさ、用がなかったら家に帰った方がいいよ」
「そんな風に私を邪険に扱っていいのかな」
 小娘は僕の目の前に某高校の生徒手帳を出した。大学生ではないということだけはなんとなくわかっていたが……やっぱり高校生だったのか(予想はしていたが)。
「どういう意味?」
「高校生にお酒飲ませたでしょ」
「それって自分で頼んで飲んだんだよね。僕らは君にアルコールをすすめた覚えはない」
「世間はどっちの言葉を信じるでしょう。私の言葉? それとも翔の言葉?」
「……」
 僕は小娘に脅されている。そして小娘に翔ると呼ばれると無性に腹が立つ。
「これからどこに行く?」
「送るよ。君の家どこ?」
「だったらこの店の近くの交番に行きます」
「君どこに行きたいわけ?」
 僕は小娘の脅しに屈した。
「エッチするホテル」
「それを世間ではラブホって言うんだけど、まじでやばいから」
「見学したいだけなんだけど」
「オッケー、だったら僕がお金払うから一人で見学してきて」
「交番」
「あのさ、誰か親しい友達と行ったら? 僕とラブホ見学したって面白くないでしょ」
「ひゃくとうばん」
 そう言って小娘は赤いポーチからスマホを取り出した。
「十分くらいでいいよね」
 ひよる自分が情けない
「休憩って二時間から?」
 ませたガキだ。
「見学に二時間もかからないでしょ」
「お金出すんだから十分じゃもったいないでしょ」
 まじで無理だ。小生意気な小娘なんて絶対に無理だ。頼むから僕の前からいなくなってくれ。一秒でもこんなガキと一緒にいたくない。
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