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さげまん女の憂鬱~こんな私でよければ~
第3章 スピード違反の女

「え~?なんでよ?
別に一人ぐらい見逃してくれてもいいじゃん」

彼女は不満げに車から降りた。

「相変わらずにいいプロポーションだな」

真っ赤なミニのカットソーから覗く足が
とてもセクシーでバーテンの大杉でなくとも
思わず口説きたくなるようないい女だ。

「見逃してくれたら抱かれてもいいんだけどな~」

わざとらしくスカートをチラッと捲って
美味しそうな太ももを見せつけてくる。

「そんなことを言って見逃した途端に
連絡が取れなくなるんだろ?」

情に流されてたまるかと
礼二は胸ポケットから違反の切符を取り出した。

「あ~ん、嘘じゃないわ
じゃあ、連絡先を交換しましょうよ
ほら、スマホを出しなさいよ」

このみは違反切符を切られてたまるかと
慌ててバッグからスマホを取り出した。

「ほんとに?」

礼二は心が揺れ動いた。

妻とはセックスレスだ。
礼二が淡白というわけではない。
妻はいわゆる「さげまん」という奴だ。
彼女と夜の営みを交わした翌日は
必ずと言っていいほど事故を起こしかける。
だから妻を抱かないと心に決めた。

かといって、
風俗に通うほど小遣いがあるわけでもなく
礼二は女が抱きたくて仕方なかった。

「俺の女になるって言うのなら
見逃してあげなくもないが…」

ほんと?
じゃあ、お願いだから見逃して~
私さあ、点数がギリギリなのよ

免停にされてたまるかと
このみは必死だった。

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