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さげまん女の憂鬱~こんな私でよければ~
第3章 スピード違反の女
「本当に抱かせてくれるんだろうな?」
「本当よ、連絡先もスマホに登録したし
LINEだって繋げたわ」
「それじゃあ、明日の夜にでも
デートして貰おうか」
夜は男を狼に変えてしまう。
昼のデートではなく
夜を指定したことで抱く気まんまんだと
言っているに等しい。
なんとか豊田礼二を言いくるめて
違反切符を揉み消した。
「男なんてちょろいものね」
このみはフンと鼻で笑って
エンジンをかけた。
そうとも知らず
礼二は意気揚々と、このみを抱けることに
期待しながら
「じゃあな」、そんなサインのつもりか
右手を上げて豊田の白バイは颯爽と遠ざかってゆく
解放されたこのみは運転席に座って
すぐには発進させずに
スマホの録音再生ボタンをタップした。
豊田との性交渉のやり取りが
バッチリ録音されてる。
実はLINE交換してあげるとスマホを弄った時に
このみはスマホを録音状態にセットしておいた。
『約束通りデートはしてあげるわ
でも、セックスはしてあげないからね』
もし、無理やり体を求めてきたら
この音声を聞かせればおとなしくなると
このみはそのように企んでいた。
次の日の夜、
約束通りに待ち合わせ場所で
このみは礼二を待った。
ドゥルン、ドゥルン、と爆音を轟かせて
大型バイクが彼女の前で停車した。
運転していたのは礼二だった。
「待ったかい?」
そう言うと礼二は、
このみにスペアのヘルメットを手渡した。
「えっ?」
「乗れよ、バイクでかっ飛ばそうぜ」
嘘ぉ?!
一応デートだからミニスカートを履いて
おしゃれしてきたのにぃ!
仕方なく、このみはバイクの後ろに股がった。
バイクが走り出すと
風を受けてスカートが捲れあがり
後続車からは尻が丸見えの状態だった。