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さげまん女の憂鬱~こんな私でよければ~
第3章 スピード違反の女
「頼む!お願いだから、
その録音を消してくれ!!
お金なら、いくらでも払うから!」
礼二は顔の前で両手を合わせて
このみに録音の消去をお願いした。
「いやよ!別にあんたから
金銭を頂こうって魂胆じゃないの」
強請になってはいけないので
あくまでも行為を辞めさせるための
道具にしたかった。
「どうしようかなあ…」
思いの外、効果があったので
このみは楽しくなってきた。
「もう変態行為はしない!
純粋にお前を抱きたいんだ!!
頼む!考え直してくれくれ!」
礼二は大きな体を
なるべく小さく丸めて
ベッドの脇のフロアに額をつけて土下座した。
大の男に土下座されることがあるなんて
思いもしなかった。
礼二が自分に土下座してるって考えただけで
ちょっといい気分になった。
「あなたは、あたしがやめてと言ったのに
股間も拭かしてくれなくなったわよね?
トイレを覗かれる女性が
どんなに恥ずかしかったことか!」
「わ、わかってる。本当に申し訳なかった!」
「あなたとは無理だってわかったの。
だからセックスはなしよ」
「つまり、変態じゃなければ
セックスはありってことだよな!?」
「え?」
「俺、真剣に君を抱きたいんだ!
君がスナックで働いていた時から
ずっと憧れてたんだ!」
冗談かと思ったけど、礼二の目は本気だった。
「もう虐めないから、ちゃんと優しく抱くから!」
「…本気(マジ)?」
「もちろん本気だ!
だからどうか抱かせてくれないか?
やっぱり俺は君とセックスがしたいんだ!」
そんなに情けない顔で懇願するほど、
私とやりたいなんて…。
しかも土下座までして。
警察本部に録音を聞かせてやろうと思ってた。
でも、ここまでされると情も湧いてきた。