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さげまん女の憂鬱~こんな私でよければ~
第5章 送り狼

スナックの前でタクシーを降りて
一抹の寂しさを感じながら
霧島を乗せて引き返すタクシーを見送った。

甘い一時(ひととき)が終わったと思うと
一気に酔いが回り始めた。
とてもじゃないが自転車に乗るのは無理なので
押して帰ることにしたが
それでもフラフラして転びそうになる。

途方に暮れていると
背後から「良美さん?」と声をかけられた。
スナックを戸締まりして帰ろうとした大杉だった。

「まだ、この界隈で呑んでたんですか?」

「どこで飲み歩こうが私の勝手でしょ」

「そりゃそうですけど…
まさか自転車で帰ろうとしてます?
ダメですよそんなにフラフラなんだから」

僕が送りますと良美を荷台に乗せて
大杉と自転車の2人乗りを始めた。

「道案内をしてください」

「この道をまっすぐよ」

走り出したのはいいけれど
酔いのせいで眠気が襲ってきて
荷台から落ちそうになる。

「危なっかしいなあ!
これじゃ送っていけないですよ」

どこかで酔いを覚ましてあげないとなあ…
仕方ない、少し休ませてあげるとするか

ちょうど目の前にラブホのネオンが輝いていた。

自転車から良美を降ろして
抱き抱えるように大杉は良美をラブホに連れ込んだ




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