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さげまん女の憂鬱~こんな私でよければ~
第6章 寝取られ
バイクは快適に山間道路を走り抜け、
予定時刻ちょうどに温泉旅館にたどり着いた。
「すいませ~ん、
バイクの駐輪場ってどこですか?」
温泉旅館の前で植木に散水している男に
礼二は駐輪場を尋ねた。
旅館の法被を羽織っているので
礼二も良美もその男がこの旅館の従業員だと思った
「駐輪場なら突き当たりにございますよ」
振り返った男の顔を見て
良美は思わず「あっ!」と声を出しかけた。
従業員だと思った男は
なんと、この温泉旅館グループの
オーナーである霧島だったからだ。
「おじさん、サンキュー」
礼二は、その男が
天下の霧島ホテルズのオーナーとも知らず、
気軽に礼を言うとバイクを発進させた。
「あなた…さっきの人…」
オーナーよ、と教えようとしたが
「やはり高級旅館だよなあ
腰が低くて優しそうな顔をしてるもんなあ」と
先ほどの男が旅館の従業員だと信じて疑わない。
ここに招待してくれたのだから
一言お礼を言ってもらわなきゃと
ロビーに行くと、すでに霧島の姿はなかった。
チェックインを済ませて
部屋に案内されると
なんとそこはスゥィートルームではないか!
「あの…何かの間違いでは?」
良美は、招待を受けたものの
まさか、こんな高級な部屋だとは思わず
何かの間違いではないかと案内係の女に尋ねた。
「あのチケットはプラチナチケットでしたので
このお部屋で間違いありませんわ」
案内係の女は「どうぞ、ごゆるりと…」と言い残し
さっさと部屋を出ていった。