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さげまん女の憂鬱~こんな私でよければ~
第1章 口説かれる

「コホン…
人妻でなければ、とっくに口説いてますよ」

霧島は、良美が人妻なので
口説くと後々厄介だと、
太ももに置いた良美の手をさりげなく退かした。

「そうね…火遊びなんかしたら
誰かさんに怒られちゃいますものね」

意外と堅物な男なのねと
良美は懲りずに再び霧島の太ももに手を置いて
スリスリしてみた。

「フッ…女房は私に愛想をつかして
10年前に出ていきました
何しろ今の事業に成功するまでは
借金の連続で…
そんな生活がイヤだったんでしょう」

「そんな過去があるから優しくなれるのね」

「まっ、事業に成功したのに
一緒に喜んでくれる女もいない…
人生って本当に皮肉なもんですね」

そう言って霧島は
寂しげな表情を見せて酒を呑んだ。

「元気出してくださいよぉ~
こっちの坊やはお元気なんでしょ?」

良美は霧島の太ももに置いた手を
スーッと股間に近づけて男性自身を撫でた。

「良美さん!」

霧島は驚いたように
股間をさわる良美の手に自分の手を重ねた。

「君は…その…もしかして…
そっち系の商売の人?」

良美からモーションをかけたことで
霧島は良美が売春の仕事をしているのではと
勘違いしていた。

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