この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
海鳴り
第7章 満ち潮
「ぅおぉーー…」
「ぅわぁーー…」
あちこちで歓声が上がる。
それは戸惑っていた律子の胸に響き、沖の方へと顔を向けさせた。
「………」
陽の光を反射して光る海に、漁船が群れをなしてこちらに向かってくる。
「すげえ…」
「ほんと…」
人々はどよめき、言葉を失った後、再び「わあっ」と歓声を上げた。
ボォーーーーー…
呼応するかの様に船が次々と汽笛を鳴らす。
「っく~、たまんねぇなぁ…」
遠く小さく見えていた船影が徐々に近付き、人々の目にはっきりとその姿を映し出した。
「見ろ!大漁旗だ」
「大漁旗だ!」
「すげえ…」
「勇壮だなぁ」
一隻の船に大小様々、風にたなびくたくさんの大漁旗。
赤や青、緑、白を基調に日の出や宝船、跳ねる魚や波が描かれ、船名や「大漁」の堂々とした文字が勇ましく揺れるそれは、海に生きる漁師たちの心意気を表していた。
あぁ
凄い…
律子は声も出せずに息を呑んだ。
「久しぶりに船団を組んだな…20はある…」
「あぁ、何年ぶりだろう…」
扇状に広がっていた一団が形を変え、港に入る為にゆっくりと列を整える。
青空、波の音、エンジン音、集まってくる海鳥達の鳴き声、人々の歓声…そして大船団…
すべてが海の上にあった。
「ぅわぁーー…」
あちこちで歓声が上がる。
それは戸惑っていた律子の胸に響き、沖の方へと顔を向けさせた。
「………」
陽の光を反射して光る海に、漁船が群れをなしてこちらに向かってくる。
「すげえ…」
「ほんと…」
人々はどよめき、言葉を失った後、再び「わあっ」と歓声を上げた。
ボォーーーーー…
呼応するかの様に船が次々と汽笛を鳴らす。
「っく~、たまんねぇなぁ…」
遠く小さく見えていた船影が徐々に近付き、人々の目にはっきりとその姿を映し出した。
「見ろ!大漁旗だ」
「大漁旗だ!」
「すげえ…」
「勇壮だなぁ」
一隻の船に大小様々、風にたなびくたくさんの大漁旗。
赤や青、緑、白を基調に日の出や宝船、跳ねる魚や波が描かれ、船名や「大漁」の堂々とした文字が勇ましく揺れるそれは、海に生きる漁師たちの心意気を表していた。
あぁ
凄い…
律子は声も出せずに息を呑んだ。
「久しぶりに船団を組んだな…20はある…」
「あぁ、何年ぶりだろう…」
扇状に広がっていた一団が形を変え、港に入る為にゆっくりと列を整える。
青空、波の音、エンジン音、集まってくる海鳥達の鳴き声、人々の歓声…そして大船団…
すべてが海の上にあった。