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海鳴り
第9章 夕凪
「ご両親共にですか?」
律子は驚いて聞き返した。
「あぁ、親父は再婚したらしい、……新しい母親と慎吾は上手くやっていけそうな様子だったから、ケンカも良かったんだ」
おそらく慎吾の担任の森が両親に事情を説明したからなのだろう。
「それじゃあケンカの原因は…」
「あぁ、知ってる…、武のヤツ、よくあんなデカイ奴に飛びかかったな、ふふっ…」
「武くんに、お父さんには言わないでって言われました」
「だろうな…、まぁ、しょうがねぇ、…人から見たらそうだろう」
「そんな…。
こ、これを見て下さい」
律子は保健室で武が思いを込めて書いていたメモ用紙3枚をテーブルに並べた。
「………」
相沢はそれを手に取った。
「武くんの本心です」
「あぁ」
「お母さんに傍にいて欲しいんです」
あなたは?
あなたは誰に…
「律子…、……真理子が帰って来る」
「…っ…えっ?」
今なんて?
目をそらさない律子に相沢が更に続けた。
「武がそう言ってる」
武くん…
ちゃんと
お母さんに言えたんだね
律子は驚いて聞き返した。
「あぁ、親父は再婚したらしい、……新しい母親と慎吾は上手くやっていけそうな様子だったから、ケンカも良かったんだ」
おそらく慎吾の担任の森が両親に事情を説明したからなのだろう。
「それじゃあケンカの原因は…」
「あぁ、知ってる…、武のヤツ、よくあんなデカイ奴に飛びかかったな、ふふっ…」
「武くんに、お父さんには言わないでって言われました」
「だろうな…、まぁ、しょうがねぇ、…人から見たらそうだろう」
「そんな…。
こ、これを見て下さい」
律子は保健室で武が思いを込めて書いていたメモ用紙3枚をテーブルに並べた。
「………」
相沢はそれを手に取った。
「武くんの本心です」
「あぁ」
「お母さんに傍にいて欲しいんです」
あなたは?
あなたは誰に…
「律子…、……真理子が帰って来る」
「…っ…えっ?」
今なんて?
目をそらさない律子に相沢が更に続けた。
「武がそう言ってる」
武くん…
ちゃんと
お母さんに言えたんだね