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海鳴り
第2章 過去へ──出会い
今、笑った…


「あれ僕の父ちゃんだよ」

「そ、そうなの?」


ぼんやりしている律子をつぶらな瞳で見上げ、武が自慢気に話す。


「漁師なんだよ、かっこいいでしょう?」


えっ…、漁師?
大工さんじゃないの?


「ほんと? 凄いわね」

「うんっ」


父親が戻ってきた。


「あんたの家だ、早く入らねえと嵐になっちまうぞ」

「えっ」

「海鳴りが聞こえねえのか?」


再び律子を冷たく見つめ、静かな低い声で言った。


「あれが聞こえるとじきに嵐になる、酷い時は停電しちまう」

「て、停電っ」


来て早々停電なんかいやだ
一人ぼっちなのに停電?
嘘でしょう?


「ドアは吹き飛ばされないように直したから、戸締まりはちゃんと…」

「は、はい。 ありがとうございました。」


顔をひきつらせて笑う律子に、息子と顔を見合わた父親が真面目に聞いた。


「あんた、怖いのか?」

「へ、平気です」


あなたの方がよっぽど怖い…


「親方ぁ、片付け終わりましたぁ」


中から若い男が顔を出した。


「あ、直也兄ちゃん、見て、僕の先生だよ」

「先生?」


直也と呼ばれたその男は驚いたような表情で律子を見つめた。


「先生だったのか…」




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