この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
海鳴り
第10章 高波
二人は風に煽られ、足元がふらついても離れなかった。

岸壁に打ち寄せて砕け散る波の音も、唸りを上げる風の音も怖くなかった。

相沢の温もりは冷えきった律子の心を温め、不安を消し去っていった。



今だけ
もう少しだけ…



雨の中で二人は何度も唇を合わせ、見つめ合った。

ずっと見つめていたいのに涙と雨のせいで相沢が見えない。

律子の瞼にキスをしながら優しく涙を啜る相沢の唇は、余計に律子を泣かせた。

律子が苦しげに喘ぐとキスを止めて優しく抱きしめ、相沢は律子の気持ちが落ち着くまで優しく、激しく、その腕で包み込んだ。



私一人が甘えてる…



「私、帰ります…」


律子は相沢の厚い胸を押し退けた。


「律子…」

「もう、ここへは来ません」

「……」

「もう平気です」


笑って見せた。


「律子…」

「それじゃあ、おやすみなさい」


背を向けて歩き出した。


平気なんかじゃない…





/221ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ