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海鳴り
第10章 高波
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「それでは皆さん、帰りの会が終わったら、見に来てくださったお母さんと一緒に帰ってくださいね。」
「はーい」
「ハーイ」
そわそわと落ち着かなかった授業参観も終わりに近づいていた。
参観だけの今日は、家庭の都合で保護者が来ていない子供もいて、武もその中の一人だった。
誰も来ないと分かっていても気になるらしく、授業が終わってもまだ教室をキョロキョロと見回している。
それは無意識に相沢の姿を捜す律子と同じだった。
帰りの会が始まり、この日の為にみんなで練習してきた『翼をください』を合唱し、和やかな雰囲気の中でたくさんの拍手をもらった。
誇らしげな顔で律子を見る教え子達の様子に成長を感じ、一人ひとりと目を合わせ、満足げに頷いて微笑みを返す。
日直の声掛けで今日の締めくくりとなった。
「先生、さようなら、皆さん、さようなら」
「はい、さようなら。
気を付けて帰ってくださいね。
保護者の皆様、お忙しい中、足をお運び頂きましてありがとうございました。どうぞこれからも御協力よろしくお願い致します」
律子の挨拶が終わり、子供達が親の元へと動き出した。
「それでは皆さん、帰りの会が終わったら、見に来てくださったお母さんと一緒に帰ってくださいね。」
「はーい」
「ハーイ」
そわそわと落ち着かなかった授業参観も終わりに近づいていた。
参観だけの今日は、家庭の都合で保護者が来ていない子供もいて、武もその中の一人だった。
誰も来ないと分かっていても気になるらしく、授業が終わってもまだ教室をキョロキョロと見回している。
それは無意識に相沢の姿を捜す律子と同じだった。
帰りの会が始まり、この日の為にみんなで練習してきた『翼をください』を合唱し、和やかな雰囲気の中でたくさんの拍手をもらった。
誇らしげな顔で律子を見る教え子達の様子に成長を感じ、一人ひとりと目を合わせ、満足げに頷いて微笑みを返す。
日直の声掛けで今日の締めくくりとなった。
「先生、さようなら、皆さん、さようなら」
「はい、さようなら。
気を付けて帰ってくださいね。
保護者の皆様、お忙しい中、足をお運び頂きましてありがとうございました。どうぞこれからも御協力よろしくお願い致します」
律子の挨拶が終わり、子供達が親の元へと動き出した。