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海鳴り
第10章 高波
「あ…、校庭に車が入って来た」
窓の外を見ながら翼が不思議そうに呟いた。
「ねえ、見てあれ…」
「どうしたの?」
雑談していた母親の一人が話しをやめて外を指差している。
その声を聞いて教室の扉付近にいた親子や、友達とふざけ合っていた数人が窓辺に来て校庭を見下ろした。
「あーっ、母ちゃんだ! 僕の母ちゃんが帰って来た!」
えっ…
武だけが教室を飛び出して行った。
教卓を片付けていた律子は、窓際に集まり身を乗り出すようにして外を見ている保護者達の隙間からそっと下を覗きみた。
「………」
校門から校庭に伸びるタイヤの跡が目に映る。
それは校舎近くに停まった赤い軽自動車まで続き、早めに参観を終えて帰宅する人々の視線を集めていた。
車のドアを閉めて立ち止まり、校舎の出口から飛び出して来る武に手を振る女がいる。
ふんわりと風に靡く茶色い髪、サングラスの下の赤い唇、胸元がざっくりとV字に開いた真っ赤なワンピース、黒のハイヒール…。
タイトなデザインのせいで、こぼれそうなほど豊かな胸の谷間が遠目にもはっきりと見てとれ、腰のくびれをを強調したベルトの下には、肉感的な女の象徴を見せつけるように張り出した肉厚の尻が見える。
窓の外を見ながら翼が不思議そうに呟いた。
「ねえ、見てあれ…」
「どうしたの?」
雑談していた母親の一人が話しをやめて外を指差している。
その声を聞いて教室の扉付近にいた親子や、友達とふざけ合っていた数人が窓辺に来て校庭を見下ろした。
「あーっ、母ちゃんだ! 僕の母ちゃんが帰って来た!」
えっ…
武だけが教室を飛び出して行った。
教卓を片付けていた律子は、窓際に集まり身を乗り出すようにして外を見ている保護者達の隙間からそっと下を覗きみた。
「………」
校門から校庭に伸びるタイヤの跡が目に映る。
それは校舎近くに停まった赤い軽自動車まで続き、早めに参観を終えて帰宅する人々の視線を集めていた。
車のドアを閉めて立ち止まり、校舎の出口から飛び出して来る武に手を振る女がいる。
ふんわりと風に靡く茶色い髪、サングラスの下の赤い唇、胸元がざっくりとV字に開いた真っ赤なワンピース、黒のハイヒール…。
タイトなデザインのせいで、こぼれそうなほど豊かな胸の谷間が遠目にもはっきりと見てとれ、腰のくびれをを強調したベルトの下には、肉感的な女の象徴を見せつけるように張り出した肉厚の尻が見える。