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海鳴り
第10章 高波
帰宅してからも律子の気持ちは落ち着かず、苛々と落ち込みを繰り返した。

叶わない想いを抱え辛い痛みを引き摺ってはいても、相沢の深い愛を基軸に堪えられるつもりでいた。
それは相沢も同じ筈だと信じる事ができた。
昨日までは。


真理子さん…


その姿を見た瞬間から、律子は一人遠くに追いやられたような惨めさを味わっていた。

どんな理由をつけても真理子には叶わない、自分が犯している罪は胸を張れるものではない。


だから

このまま静かにいなくなりたかったのに…



何を焦っているのかわからなかった。
いや、わかっていた。

律子は妖艶な女を目の前にして激しく嫉妬していた。

今まで感じる必要もなかったものが、今は目の前に堂々と立ちはだかっている。

どす黒く立ち込める厚い霧が胸の中を埋め尽くしていく。
切なさに勝る程に…

汚れた躰を洗い流すように勢いよくシャワーを浴び、気分を変えようと食事を作っても食べる気になれない。

ベッドに突っ伏して目を閉じれば、嘲笑うような真理子の視線が律子に襲いかかる。

情けない醜態だった。

泣くに泣けない胸の悶えだった。



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