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海鳴り
第10章 高波
「夜うろつくと危険だぞ、酔っ払いがいる」

「…グスッ…はい…」

「怪我はないか?」

「…ヒクッ…大丈夫です…」

「立てるか?」


相沢が差し出した手を握って律子は立ち上がった。

ジャージの膝を相沢が軽くはたく。


「ありがとうございます…グスッ…」


両方の手のひらの砂を片方ずつ撫で落とす。


「グスッ…」

「行くぞ」


相沢に手を引かれ、律子は自宅に向かって歩き出した。

大きな温かい手の中で、小さな手が力を入れるとグッと握り返してくれる。
立ち止まろうとすると構わず先に進む。


ずっとこのままでいたい。


律子は海に向かってそよぐ風で頬を乾かしながら夜空を見上げて歩いた。

北の空に浮かぶ北斗七星を目でたどる。


「律子…」

「はい」


空を見上げたまま返事をする。


「律子…」

「はい」

「……」


何度でも呼んで欲しい。


ドアの前に着いた。


「眠れそうか?」


律子は口をへの字にして首を振った。


「もう泣くな…」


頷きながら笑って見せる。


「そんな顔をするな」


困った顔の相沢が律子の頬をふにふにとつまんだ。




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