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海鳴り
第10章 高波
相沢は律子の太股を易々と開き自分の両腕に引っ掛けると、既に潤んでいる律子の蜜口に反り返った切っ先をあてがいいきなり奥まで突き立てた。


ズンッ…


「…─あぅぅッ…」


熱い痛みが背中まで駆け抜ける。

獲物を見るような鋭い視線に身をすくめながら、律子は目を逸らさなかった。


壊して…


前後に激しく腰を振る相沢の目の中に哀しみが見える。

しごかれてじわじわと火照りだす躰から、熱く滴る愛液が尻を伝ってシーツを濡らす。


ヌチャッ…ヌチャッ…ヌチャッ…


「あぁっ…あぁっ…あぁっ…あぁっ…」


突かれる度に声が洩れる。

ぶつかり合う腰が跳ね返り、時折激しく蜜を散らして二人を濡らした。


「あぁッ…あぁッ…もっと…もっとして…あぁッ…もっとしてぇ…」


固く締まってくる肉壁を力強く抉(えぐ)られ、痺れるような快感を味わいながら律子は叫んだ。


「ぃ、いなくなるまで…あぅッ…私がいなくなるまで…うぅっ…、抱かないで…あの人を…ウグッ…、あの人を…あぁッ…」

「………」


相沢の動きが止まった。


「律子…」

「…ご、ごめんなさい」


律子の膝を肘から外し、相沢は指先を伸ばして律子の前髪を分けた。

呼吸が荒い。


「俺の…俺の女は…あんただけ…だ」

「…っ…」




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