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第10章 高波

繋がったまま激しく抱きすくめられ、律子は相沢の腰に脚を巻き付けた。

ブラジャーを外され、歯を立てられて赤く染まった乳房の痛みが相沢の胸の痛みと同じなら、どんなに楽だろう。


「あんたに惚れてる…、俺の中にはそれしかねえ」

「……」


律子は何度も頷いた。

二人は切なく見つめ合い、強く抱き合い、一時も離れないように腰を密着させながら揺れた。

擦り合わせるように腰を回す。


「ﾊｯ…ﾊあぁん…あぁｱ…和男さｧん…」


力を溜め込んだ雄々しいものが律子の奧に触れだした。


「ﾊｯ…ﾊｯ…ﾊｯ…」


低い波と高波が交互に押し寄せ、高波だけが次々と押し寄せるようになると、律子の躰は痙攣しはじめ息を荒げてお互いの名を耳元で呼び続けた。


「和男さん…和男さん…和男さん…和男さん…」

「律子っ…律子っ…律子っ…律子っ…」


二人は激しいうねりに飲み込まれる瞬間かすかに微笑んだ。

結合部を強く押し付け合って反り返り、叫声を上げ続け、全身を激しく震わせながら一気に高い場所へと打ち上げられた。