この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
海鳴り
第4章 さざ波
武と手を繋ぎ、海の方向へ歩く。

熱い陽の光を背中に浴び、目の前に伸びた二つの影を見つめて歩く。


大したことじゃなかった

きっと私にとっても


律子は足元でしっかりと結ばれた蝶々結びに目を移し、芽生えそうだった恋心に蓋をしようと決めた。


びっくりして動揺してるだけよ

ただそれだけ

直ぐに勘違いだったと気付く



「武くん、お手伝いに来てくれてありがとう」

「うん。父ちゃんが一緒に来いって言うから」

「そうなの?」

「ホントはね、僕、翼くんちに遊びに行く所だったんだけど、……父ちゃんが、律子先生と学校の話しでもしてろって…」

「………」

「父ちゃん照れ屋だからな」


どこが?


律子を見上げてにっこり笑う無邪気な武を見ると、つい笑いが込み上げてくる。


「武くん、お父さん好き?」

「うん、凄い父ちゃんなんだよ」

「そうなんだ」

「漁師はね、命懸けなんだ」


律子は武の目を通して、相沢の背中が少し見えた気がした。


「ほら、ここだよスーパー平野」

「よーし、お礼にアイス買ってあげる」

「やったー!」


手を繋いだまま武がまた跳ねた。




/221ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ