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海鳴り
第5章 うねり
「カズさん、武ちゃんは?」
「もう寝てる…、ガキのお守りは大変だ」
「まあ、ふふ、いいお父さんしてるじゃないの」
ガキって私の事?
気をまぎらわそうと律子はグラスを一気に空にした。
「こんばんはー」
ほろ酔い加減の客が3人入って来た。
「お、珍しく女の子が一人で飲んでる…」
「いいねぇ…、ママ、カウンターいい?」
「…っ…」
律子は焦って亜紀を見た。
亜紀が答えるより先に相沢が立ち上がり、ビールとグラスを持って律子の隣の席に座った。
「え、おいっ、ちょっとアンタ…」
客の一人が相沢にイラついて声をあらげる。
店の空気がピンと張りつめた。
怖い…
「すまねぇな、俺のツレなんだ」
相沢がそう言いながら声を掛けた客の方を向いた。
「あ、…あ、相沢さん…」
直也と同じような年恰好だった。
「…誰だお前」
「あの、俺船に乗ってた時があって…、5年位前です、…海に落っこちたのを相沢さんに助けて頂いた…」
「…岸本ん所の見習いだったヤツか…」
「は、はい」
その男は顔をひきつらせ直立不動だった。
「もう寝てる…、ガキのお守りは大変だ」
「まあ、ふふ、いいお父さんしてるじゃないの」
ガキって私の事?
気をまぎらわそうと律子はグラスを一気に空にした。
「こんばんはー」
ほろ酔い加減の客が3人入って来た。
「お、珍しく女の子が一人で飲んでる…」
「いいねぇ…、ママ、カウンターいい?」
「…っ…」
律子は焦って亜紀を見た。
亜紀が答えるより先に相沢が立ち上がり、ビールとグラスを持って律子の隣の席に座った。
「え、おいっ、ちょっとアンタ…」
客の一人が相沢にイラついて声をあらげる。
店の空気がピンと張りつめた。
怖い…
「すまねぇな、俺のツレなんだ」
相沢がそう言いながら声を掛けた客の方を向いた。
「あ、…あ、相沢さん…」
直也と同じような年恰好だった。
「…誰だお前」
「あの、俺船に乗ってた時があって…、5年位前です、…海に落っこちたのを相沢さんに助けて頂いた…」
「…岸本ん所の見習いだったヤツか…」
「は、はい」
その男は顔をひきつらせ直立不動だった。