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海鳴り
第6章 海鳴り
熱い…
「冷てぇ…」
「熱いじゃないですか」
「……薬は飲んだ…」
「ご飯は?」
「………」
「何か食べ…」
クシュン…
相沢が律子を見上げた。
「濡れたままじゃねぇか、風邪ひいちまうぞ」
目に少し力がこもっていた。
「平気です」
「そのタンスの引出し開けて俺のパジャマに着替えろ…」
「えっ…」
律子の髪はセーターを濡らし、ジーンズは畳に染みを作っていた。
寒い…
「いいから早く…」
相沢は一瞬起き上がろうとしたが、ガクンと力が抜けたように枕に頭を落として目を閉じた。
「相沢さん…」
肩を上下させ、苦しげな呼吸が続いた。
「寒い…」
相沢が丸くなって震え始めた。
「…っ…」
律子は急いでタンスの引出しを探り、パジャマを見つけ出した。
リビングで、冷たくなったジーンズと濡れたセーターを脱ぎ捨ててハンガーに掛け、髪をよく拭いた。
男物のパジャマに着替え、歩けば下がってくるズボンの裾を折り曲げる。
ぶかぶかでもびしょ濡れよりはずっといい。
その時、窓に激しく打ち付ける雨風と共に稲妻がバリバリッと光り、耳をつんざく雷鳴が轟いた。
「冷てぇ…」
「熱いじゃないですか」
「……薬は飲んだ…」
「ご飯は?」
「………」
「何か食べ…」
クシュン…
相沢が律子を見上げた。
「濡れたままじゃねぇか、風邪ひいちまうぞ」
目に少し力がこもっていた。
「平気です」
「そのタンスの引出し開けて俺のパジャマに着替えろ…」
「えっ…」
律子の髪はセーターを濡らし、ジーンズは畳に染みを作っていた。
寒い…
「いいから早く…」
相沢は一瞬起き上がろうとしたが、ガクンと力が抜けたように枕に頭を落として目を閉じた。
「相沢さん…」
肩を上下させ、苦しげな呼吸が続いた。
「寒い…」
相沢が丸くなって震え始めた。
「…っ…」
律子は急いでタンスの引出しを探り、パジャマを見つけ出した。
リビングで、冷たくなったジーンズと濡れたセーターを脱ぎ捨ててハンガーに掛け、髪をよく拭いた。
男物のパジャマに着替え、歩けば下がってくるズボンの裾を折り曲げる。
ぶかぶかでもびしょ濡れよりはずっといい。
その時、窓に激しく打ち付ける雨風と共に稲妻がバリバリッと光り、耳をつんざく雷鳴が轟いた。