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第6章 海鳴り

律子が顎を引き、首をすくめるように小さく震えると、相沢は優しく肩を擦りながら唇を探すように追ってきた。

固く目を閉じてイヤイヤをしても、相沢はあやすように右に左に、何度も優しく啄んだ。


「乱暴にしたくない…、律子、…力を抜いてくれ…」


相沢は律子の髪を撫で、耳元で囁いた。


「や─…こ、怖い…」


律子の声は上擦っていた。


「怖くしない…」


律子を見つめながら背中に回った相沢の手がブラジャーのホックを外した。


「っ…や、やめて…」


律子の両手が相沢の厚い胸元を押した。


「やめねえ…」


耳元に響くその声は、律子の頭の中で何度も繰り返され、胸の奥にｽﾞｷｽﾞｷとした熱い痛みを植え付けた。

相沢の息遣いが熱のせいなのか、みなぎる血潮のせいなのか逃げるばかりでわかろうとしない律子に、相沢は固く立ち上がったものを腹部に押し付けながら律子を強く抱き締めた。


「…っ…やぁ…」


腰を引こうとする律子の尻を相沢の熱い手が引き寄せる。

震えて泣き出しそうな律子には構わず躰を密着させ、相沢はそこを知らしめるかのように突き出しながら更に強く律子を抱き締めた。


「逃がさねえ…」

「…っ！…」