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海鳴り
第6章 海鳴り
夜明け前の静けさが、まどろむ二人を包んでいた。
律子は相沢の肩に頭を乗せ胸に手を置いて、愛しい人の温もりを感じていた。
「大丈夫か」と聞かれる度に頬を染め、小さく何度も頷いた。
頬に触れられると頬が、指を絡ませると指が熱くなり、躰中を触って欲しくなる。
律子はそんな自分に戸惑い「はしたない」と心の中で首を振った。
「そんな眼で俺を見るな、……壊しちまうぞ…」
構わない…
壊れされたい
怯まない律子の艶めいた顔を見つめ、抵抗を無くした躰を相沢が抱きしめる。
「海を見に行かねえか?」
「…でも、熱は?」
「治っちまったみたいだな」
「本当に大丈夫ですか?」
「あぁ、今日は休みだから一日ゆっくり出来る。…その前にあんたに海を見せたい」
「…はい」
「よし」
───────
雨に濡れた服が乾ききっていない律子は、相沢からスウェットの上下とジャンパーを借り、大きなサンダルを履いた。
「あはは…、変な恰好だな」
ブカブカの服を着た律子を相沢が笑う。
優しい笑顔を見つけた。
「和男さんが熱なんか出すから…」
律子は口を尖らせた。
「謝らねえぞ」
相沢がドアに手を掛け、真面目な顔をした。
律子は相沢の肩に頭を乗せ胸に手を置いて、愛しい人の温もりを感じていた。
「大丈夫か」と聞かれる度に頬を染め、小さく何度も頷いた。
頬に触れられると頬が、指を絡ませると指が熱くなり、躰中を触って欲しくなる。
律子はそんな自分に戸惑い「はしたない」と心の中で首を振った。
「そんな眼で俺を見るな、……壊しちまうぞ…」
構わない…
壊れされたい
怯まない律子の艶めいた顔を見つめ、抵抗を無くした躰を相沢が抱きしめる。
「海を見に行かねえか?」
「…でも、熱は?」
「治っちまったみたいだな」
「本当に大丈夫ですか?」
「あぁ、今日は休みだから一日ゆっくり出来る。…その前にあんたに海を見せたい」
「…はい」
「よし」
───────
雨に濡れた服が乾ききっていない律子は、相沢からスウェットの上下とジャンパーを借り、大きなサンダルを履いた。
「あはは…、変な恰好だな」
ブカブカの服を着た律子を相沢が笑う。
優しい笑顔を見つけた。
「和男さんが熱なんか出すから…」
律子は口を尖らせた。
「謝らねえぞ」
相沢がドアに手を掛け、真面目な顔をした。