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桜 ~あなたに見られたくて~
第12章 ヌードモデル
翌日、私は祥子から預かった住所のメモを頼りに
絵画教室を訪ねた。
それなりのビルの一室を想像していただけに
普通の一軒家であることに違和感を覚えて
何度か、その家の表札を確かめた。
そのうち、背後から
「教室にご用ですか?」と
生徒らしい高校生のような男の子に
声を掛けられました。
「えっと…ここって…やっぱり絵画教室?」
「ええ、そうですよ
あ、申し遅れました、私、ここの講師をしている
飯塚恭平と申します」
高校生のような若さなのに
聞いてみるとすでに成人しているのだとか…
「あ、私、代理のモデルとしてやって来ました
桜川陽菜と申します」
普段はOLをしています。と
会社の名刺を飯塚に手渡した。
「あ、祥子さんの紹介の方ですよね?
代理の者が行くと祥子さんから伺っております」
さあ、どうぞお入りください。
飯塚の案内で私は
その一軒家に足を踏み入れました。
玄関を入って
すぐに扉があって
そこを開くと、なんと間仕切りがなく
ワンフロアがアトリエのようになっていた。
「僕、童顔で舐められやすいんですけど
これでも美大を卒業して、
それなりに個展も開くし、
絵で生計を立てているんです」
自分でも童顔だという意識があるのか
こちらから尋ねてもいないのに
飯塚はそのように教えてくれた。